ナスビ君の超絶平穏日記 最終話 謝罪
これは謎の生命体ナスビ君が、その異様な見た目から如何に人間社会に溶け込んでるかを描いた物語である。
ナスビ君の超絶平穏日記 最終話
「謝罪」
ここは千代田区にある某会議室。
普段は分断されてるいくつかの会議室だが、今日は壁を取り払って大きな1つの会場となっている。
そこには多くのマスコミ・報道陣が詰めかけていた。
おびただしい数のカメラの向く先には、まだ誰も座っていない椅子に会議室用の横長な机。
報道陣はある人物を待っていた。
数十分経った頃だろうか、無数のカメラがフラッシュをたく。
入ってきたのは蛇の化け物、ナスビ君である。
普段は全裸であるにも関わらず、今日はキッチリとスーツを着用している。
下半身は完全に蛇の為、上だけスーツ状態だ。
ナスビ君は報道陣に向かって一礼し、席に着いた。
「えー…皆様、本日はお忙しい中お集まり頂き、誠にありがとうございます」
淡々と話し出したナスビ君。
普段とは明らかに様子が違う。
多くのフラッシュを浴びて、少し眩しそうにする。
「今日集まって頂いたのは他でもありません、前回の"ナスビ君の超絶平穏日記 第4話"に関してです」
少しうつむき言葉を詰まらせながら、ナスビ君は再び話し始めた。
「ご存知の通り、第4話はあまりにも酷い…教育上よろしくない表現を用いて話を展開していきました」
ナスビ君は少し涙目になってきている。
「Twitterに第4話告知の際、念のため注意書を書かせて頂きましたが、今回の騒動のきっかけとなる事件が発生しました」
ナスビ君は天井を仰ぎ、続けた。
「閲覧したユーザーからガチクレームが入りました」
ざわつく報道陣。フラッシュがたかれる。
「まずは閲覧された皆様に、不快な思いをさせてしまったことを謝罪をさせて頂きます。誠に申し訳ございませんでした」
ナスビ君が頭を下げる。
「そして…今回の騒動を受けまして、私が出演している大人気シリーズ"ナスビ君の超絶平穏日記"を打ち切りさせて頂くこととなりました」
一斉にフラッシュがたかれる中、報道陣が質問を投げ掛ける。
「最弱テレビの岩崎です。クレームが入ったとのことですが、何故打ち切ることとなったのですか?表現に注意しながら継続するということにはならなかったんですか?」
ナスビ君が岩崎の言葉に相槌を打ちながら、ゆっくりと返答し始めた。
「実は前々から引退を考えていまして…今回の騒動は、そのきっかけになってしまったからですかね。自分に限界を感じ始めました」
岩崎が返答に対する礼を述べ、次のマスコミが質問を投げ掛ける。
「殺戮新聞の横山です。引退を考えたと仰いますが、では今回の騒動は、引退する前提で意図的に行ったのではないですか?」
厳しい質問にも淡々と答えるナスビ君。
「そういった事実はございません。今回の騒動は私自信の実力不足、至らなかった点が招いたことだと考えています」
横山は少し睨むようにナスビ君を見たあと、一言礼を述べて席に着いた。
そこからも報道陣の質問攻めは続いた。
「今回の件で刑事告訴されるところまで想定できなかったんですか?」
「あまりにも稚拙な表現で、大変不愉快でした。アルマ次郎は会見に来ないのですか?」
「あなたは数年前にPTAから警告を受けていたと思いますが、私はピザが大好きです。明日は何色のケーキを作りますか?」
ナスビ君は柔軟に対応していくが、どうも質問の数が多い。
質問の数が50を越えた頃、とある質問が飛んだ。
「ナスビ君って、オワコンですよね?」
その瞬間ナスビ君の中で何かがプツンと切れた。
「黙れこのクソモブどもがぁあああああ!!」
ナスビ君は机を爆弾に変えるハ○ターハ○ターのボマーみたいな能力を使って、爆破した。
どよめく会場を後目に、ナスビ君はたまたま持っていたボーリングの球をころがし、報道陣をストライクさせた。
「やってられるかだよねー!おいコラ出てこい作者!!」
倒れ尽くす報道陣を巨大な掃除機で吸い込みながら、ナスビ君は辺りを動き回る。
「いやいやいや待ってよナスビ君!!」
倒れていたマスコミの一人が起き上がり、身体に亀裂が入って中から妙な生物が出てきた。
「出たな作者コラァ!!」
「いやだから待てってこの蛇野郎!!」
その生物は青い球体の姿で、王冠をかぶっている。
腕だけリアルに生えてて気持ちが悪い。
彼は球体様…このブログの創設者にしてナスビ君の産みの親であるSGXだ。
「まずその掃除機で証拠隠滅するやつ止めろ!これハ○ターハ○ターで見たぞ!!」
ナスビ君は掃除機を止め、球体様にトランプを投げつけ始めた。
「だからやめろって!!これもハ○ターハ○ターだろ!!」
ナスビ君は不満をぶつける。
「まず!なんで!この大人気シリーズを打ち切るのか知りたいよね」
ジリジリ迫るナスビ君。
「そもそもだよナスビ君、このブログの閲覧数を知ってるかい?」
「いや知らん」
「今月約300件なんだけどね、この内100件近くが君のシリーズと関係のない、俺の挨拶記事の件数なのね。つまり、君のシリーズは実質200件。んで今まで4話更新してるから、1話辺り50件ね。ただ、単純に俺が確認で閲覧してる分が入ってるから、まぁ40件くらいだよね」
ナスビ君はコクコク頷き、球体様は叫んだ。
「全然人気じゃねぇからこの数字!!!!!!」
ナスビ君は目を丸くして驚き、何故か一発球体様を殴った。
「痛いね!!いや認めろや!!自分の不人気さを!!」
ナスビ君は一方的に球体様を殴る。
「うるせぇだよね!!そもそも僕のクレイジーさが文面で伝わる訳ないんだよねー!!」
「ほらそういうところ!!お前昔はそんなメタい発言しなかったじゃん!!完全に落ち目のキャラクターなんだよお前!!」
球体様もナスビ君に殴りかかる。
「落ち目なのはテメェだよねぇ!!いいからさっさと"ナスビ君のこんな時どうする?"作れや!!僕の人気っぷりはこんなんじゃないし、もっと人気になりたいよね!!こんな調子だとお前どんどんファンいなくなるぞ!!」
「うっせー!!忙しいんだよこっちは!!」
血まみれになる球体様と、無傷のナスビ君。
「お前スプラ○ゥーンとかばっかやってて時間ねぇだけだろ!!」
倒れ尽くす球体様。
「いや、仕事の反動だしー!!ストレス発散ですぅー!!」
「んじゃあのよく分からん実況動画とかイラストとか僕の動画はなんなんだよねー!!」
「新たな道の模索じゃボケ!!」
「新たな道探る前に土台固めてやるべきことをこなしてからやれや!!」
蛇の化け物にとてつもない正論を投げつけられる球体様。
やがて球体様は徐々に動けなくなってしまう。
「うぅ…俺に画力と時間があれば…」
「画力なんて一朝一夕で得られるもんじゃねぇんだよ。時間掛けて努力した結果気が付いたら得てるものなんだよ」
なんだこの蛇。どうしてこんな辛辣に正論をぶつけてくるんだ?お前クレイジーさが売りだろ…だから人気が…
「人気さってそんなに重要かね?」
意表を突かれてフリーズする球体様。
「知ってるよお前、その昔ファンがたくさんいて、出す作品がどんどん評価されて充実してたんだろ?沢山の人から称賛の声と評価を得て慢心してたんだよ。なんだよ、過去の栄光にばかりすがりやがって…そんなに多くの人の評価が必要か?違うだろ?本当に大切なことを見失うなよ。見知らぬ幾多数多の人より、1人の暖かいメッセージの方が響くだろ?」
球体様は涙をながした。
それを見たナスビ君が一言叫んだ。
「数字にばかりすがってるんじゃねぇよ!!!!」
涙が止まらなくなる球体様。
地に倒れ伏せたまま泣き続けた球体様は、ナスビ君に一言放った。
「うっうっ…お前…さっきと言ってること全然違うじゃん…」
そう言い切る前にナスビ君は球体様を釘バッドで殴打した。
「あー…皆様、多分数字からして見てるの10人に満たないくらいの方々だと思いますが、これで"ナスビ君の超絶平穏日記"を終了したいと思いますだよねぇ。全部で5話という超絶短期打ち切りとなってしまいましたが…今後もナスビ君と、このクズGXを宜しくだよねぇ」
ナスビ君の超絶平穏日記
終了
The next is UGOMEMO.
Coming soon.